病気や症例

2014年8月26日 火曜日

こんな症状はありませんか?便秘



こんにちは☆看護師の市川です!

今日はワンちゃんの便秘についてお話致しますっ!



【 便秘の症状 】

排便のいきみ、長期間排便しない、膨れ上がったお腹
食欲不振、硬くて乾燥した便などです。





【 便秘の原因 】

・運動不足
若い健康なワンちゃんは毎日少なくとも1時間の運動が必要です。
散歩したり、走ったり などの運動をしてあげましょう!


・十分でないトイレ時間
多くのワンちゃんは、"トイレ"に行く機会がない場合、
ウンチをしないことがあります。
お家でしない場合は外に出てあげてみて下さい!



・不適切な食事
質の悪いドッグフードや不十分な水分摂取も便秘の原因になるんですよ!
また、きれいな水がいつでも飲められることも大切です。
脱水は犬の便秘の原因!!
体内の水分不足は便の硬化を引き起こす可能性があるので注意して下さい!


便秘には、急性または慢性があります。


急性便秘の場合は食べ物に繊維を追加すると、
正常に戻ることが多いので
それほど心配することはありません!




しかし、慢性便秘の場合、なにか問題や病気のことがあります。




代表的な病気が、、、、、、
脊髄異常、前立腺肥大、会陰ヘルニア、
甲状腺機能低下症、肛門の病気、下半身のケガ
カルシウム過剰摂取、骨盤骨折、繊維質の過剰摂取、
先天的異常(鎖肛)、環境の不適切 などです。





ちなみに、毛足の長いワンちゃんの場合、肛門付近にうんちが絡み付き
肛門を塞いでしまってうんちが出ないなんてことも起こるんです!!





ワンちゃんの便秘は、普段から注意をしていれば予防できることなので
毎日の排便の仕方や便の状態など確認してあげて下さい!(^^)!








写真は箱の中がどうしても気になるふじ子(ドロボー中)


 

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2014年8月21日 木曜日

犬の精巣腫瘍②


こんにちは。
院長の山中です。



今日は犬の精巣腫瘍の種類について

書きたいと思います。



精巣にできる腫瘍には

間質細胞腫、精上皮腫(セミノーマ)、セルトリ細胞腫

の3つがあります。




それぞれの特徴は以下のようになっています。

間質細胞腫

・ 良性腫瘍
・ 精巣腫瘍の中で一番多く約40%を占める
・ 約半数が両方の精巣に発生
・ 元は男性ホルモンをつくる細胞だが
  それに関連した症状が出ることはすくない



精上皮腫

・ 精子の元となる精上皮由来の腫瘍
 転移率は5~10%
  主にそ径・腸骨・腰下リンパ節などに転移する
・ 転移した場合は放射線や抗がん剤治療を行う
・ 多くが片側の精巣に発生する(両側にできるのは約10%)
・ 潜在精巣(陰睾)では発生率が高まる




セルトリ細胞腫 

・ 精細胞の支持や栄養供給などを行うセルトリ細胞由来の腫瘍
 転移率は10%前後
  傍大動脈や腸間膜リンパ節等の局所リンパ節に転移する
・ 転移した場合は放射線や抗がん剤治療を行う
・ 多くが片側の精巣に発生する(両側にできるものは約10%)
・ 潜在精巣(陰睾)では発生率が高まる
・   約30%の症例でエストロゲン中毒※が見られる



エストロゲン中毒
・・・腫瘍細胞が分泌するエストロゲン(女性ホルモン)の作用で
   反対側の精巣委縮、乳房の腫大、前立腺過形成、
   毛包・皮脂腺の委縮による脱毛や皮膚委縮、骨髄抑制
   などの症状がみられる




精巣は白膜という丈夫な膜で覆われているため

お腹の中で腫瘍化した場合も周囲に腫瘍細胞が

しみ込んでいくことは少なく、腫瘍を取りきることができます。



また、血流に乗って腫瘍細胞が転移することも少ないといわれています。




しかし、精上皮腫とセルトリ細胞腫はリンパ管を伝って転移することがあり

報告により異なりますが、その確率は5~15%程度です。




転移してしまった場合は抗がん剤や放射線治療で治療していくことになります。





転移のほかに注意が必要な場合は

エストロジェン中毒により骨髄抑制が起きているときです。

骨髄は血液の細胞成分を作っているため

ここが抑制されてしまうと

貧血・免疫不全・凝固不全(血が固まらず出血が止まらなくなります)

を起こし、手術のリスクや死亡率が上がってしまいます。




しかも、骨髄が重度に抑制されると

腫瘍摘出後も骨髄機能が回復しない場合もあります。



写真は潜在精巣のセルトリ細胞腫です。




このワンちゃんは毛が抜けるということでご来院されましたが

精巣が片側しか降りていなく、その精巣は委縮していたため

エストロジェン中毒による脱毛が強く疑われました。





幸い骨髄抑制は軽度だったため手術で

腫瘍を摘出することができました。






精巣腫瘍は早期に対処すれば治せることが多いため

精巣が腫れてきた時や

潜在精巣の子で毛が抜けたり乳房が張ってきたときは

早目に受診してください。





http://www.yamanaka-vet.com/

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2014年8月20日 水曜日

犬の精巣腫瘍①



こんにちは。
院長の山中です。




前回、精巣がお腹の中または皮膚の下にある

潜在精巣(陰睾)の場合は

去勢手術をした方がいいと書きましたが、

その理由は精巣腫瘍になりやすくなるためです。





精巣内には精細胞といわれる

成長すると精子となる細胞があります。



この精細胞は熱に弱いため

成犬では温度の低い陰のう内にあります。





潜在精巣の犬では精巣が温度の高い体内にあるため

精細胞が正常に育たず精巣が委縮していきます。



委縮しているだけならば問題はありませんが

中年齢以降になると中の細胞が腫瘍化することがあります。




その腫瘍の発生率は正常犬に比べ13倍になるとの報告もあります。





また、陰のうや皮膚の下で腫瘍化した場合は

精巣が大きくなるため気づきやすいですが

お腹の中にある場合は腫瘍化していることに気づきにくく

治療が遅れてしまうこともあります。





というわけで潜在精巣、特にお腹の中に精巣がある場合は

去勢手術をお勧めします。



次回は精巣腫瘍の種類について書きたいと思います。



http://www.yamanaka-vet.com/syoukai.html

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2014年8月18日 月曜日

こんな症状ありませんか?痒がる

こんにちは!看護師の市川です☆



夏になると、皮膚や耳の悩みを多く聞きます。
そこで 今回は、「かゆみ」を引き起こす代表的な病気を取り上げました。






【頻繁に耳を痒がる】
外耳炎、耳血腫、耳疥癬、耳ヒゼンダニ感染症、
食物アレルギーなどが原因として考えられます。




【脱毛する】
膿皮症、疥癬症、ニキビダニ症
ノミアレルギー、真菌症、内分泌疾患、食物アレルギーなど



【フケが出る】
細菌感染症、マラセチア、疥癬症、ツメダニ症
脂漏症、皮膚真菌症脂漏、食物アレルギーなど



【赤くなる・ただれる】
マラセチア、アトピー性皮膚炎、膿皮症
ニキビダニ症、扁平上皮がん、ノミアレルギー性皮膚炎、食物アレルギーなど




食物アレルギーが原因の場合にはほとんどの症状がみられます。
その場合、アレルゲンを遠ざけるのは勿論、
食物アレルギー用のご飯に切り替えるなどしていきます。



アトピーの場合、体を洗ってアレルゲンを洗い落とし、

保湿剤などを使って皮膚が乾燥しないようにすることが必要です。



屋内で犬を飼っている場合には、ノミやダニ、ほこりなどの

アトピーの原因となるものを減らすため、できるだけ頻繁に掃除を行います。





副腎皮質ホルモン薬や抗ヒスタミン薬などが炎症やかゆみを止めるために使用します。



何か異変があったときにすぐに気付けるように日頃から健康チェックをしてあげてて下さい。

犬がひどくかゆがるようであれば、早めに病院に相談することがいいでしょう。





何が原因なのかを理解してあげて早急な対処方法をみつけることが大事です。






横須賀市佐原のやまなか動物病院は

年中無休で診療しています。

http://www.yamanaka-vet.com/index.html

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2014年8月16日 土曜日

こんな症状はありませんか?犬の下痢

暑い日が続いてますが、みなさん体調のほうはいかがでしょうかsign02

暑い日に自動車屋さん等ですずんで過ごす一家も増えているみたいですねcoldsweats01

涼しくて飲み物もあってheart02 分かる気がしますっnote



今日はワンちゃんに多い「下痢」についてのお話ですflair

「下痢」は、犬に非常によく見られる体調不良の一つです。

病院に連れていくか悩む方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回は、愛犬が下痢をした場合に、考えられる原因や対処法について調べてみました。



一過性なら様子見でOK、2日以上続くなら病院へ

下痢は体質によることが多く、なるコは頻繁になる様です。

いつもと違うものを食べたり、体が冷えたりして一過性の下痢になるのは正常な反応です。


愛犬が下痢をしたら、まず食べたものや生活環境に思い当たるふしがないか、チェックしてみてください。



下痢が1日で治まり、食欲もあるようなら様子見で大丈夫!!




ただし、2日以上続くようならかかりつけの病院へ行く様にしてください。
体の中でよくないことが起こっている可能性があります。
とくに「下痢」と「吐く」が両方出ている場合は注意して下さい。



犬の下痢の原因はいろいろ

疲れ、ストレス

胃腸障害は、季節の変わり目に出やすいです。
またイベントの直後、ペットホテルでの宿泊やトリミングの後なども、疲れやストレスから下痢をしやすくなります。


誤飲

飼い主さんの薬、毒性植物、散歩途上での除草剤の付いた草など、中毒性物質の誤飲・誤食も要注意です。


寄生虫

犬の集まる環境は、寄生虫感染の危険性があります。ジアルジア、コクシジウム、ノミが媒介する瓜実条虫などがよく見られます。宿主と共生するのが寄生虫なので、成犬ではあまり症状が出ませんが、子犬や高齢犬の場合は、下痢や貧血、体重減少など重症化しやすくなります。


その他

それ以外にも、食物アレルギー、下痢や嘔吐が続く危険な病気として、膵炎炎症性腸疾患、消化器系の腫瘍などがあります。



便の回数や色もよく観察して

排便の回数や便の状態もよく観察してください。
便の回数は増えないけれど、便がゆるいという場合(小腸性)や 少量の便を何回もする場合(大腸性)で薬が違ってきます。
血便を伴う下痢は、赤い鮮血なら大腸からの出血、黒いタール便なら胃や小腸からの出血と考えられます。大腸性の下痢の場合、とくに重い病気ではなくても、下痢が続けば腸の粘膜が傷ついて血便や粘液便になることがあります。



下痢のときの家庭でのケア

下痢のときは、基本的に食事を抜き、与えるのは水だけにして、おなかの中を一度空にした方が落ち着きます。
ただし、食事を抜くことが大きなストレスになる子もいるため主治医とよく相談してみて下さい。

下痢が続いているときは、脱水にも注意が必要です。背中の皮膚を引っぱってみて、
皮膚がすぐに戻れば正常ですが、ゆっくり、じわ~っと戻るときは脱水しています。
脱水予防には、水を頻繁に飲ませてください。たくさん飲ませるには、頻繁に水を入れ替えてあげましょう。
スポーツ飲料を飲ませる方法もありますが、普段与えていないものを突然与えると、
それ自体が負担になることもあるので、あまりおすすめできません。



診断には飼い主さんの説明が必須

下痢は、飼い主さんの説明なくして正確な診断はできません。
どのぐらい下痢が続いているのか、回数はどうか、食欲はどうか、元気はあるか、誤飲の可能性はあるか、
環境に変化はあったか等、状況を把握している人が病院に連れて来てください。
また、普段から下痢気味なのか、まったく下痢をしないのか、もともと食が細い犬なのか、
いくらでも食べる犬なのか等も教えて下さい。



可愛いペットとの生活が、少しでも安心できる様これからも情報発信していきます。

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