院長談

2014年7月29日 火曜日

猫の飼い方⑥ ワクチンについて

こんにちは。院長の山中です。

今日は猫のワクチンについてです。

ワクチンで予防できる病気としては以下の6種類があります。
 猫汎白血球減少症(猫パルボ)
 猫伝染性鼻気管炎
 猫カリシウイルス感染症
 クラミジア病
 猫白血病ウイルス感染症
 猫後天性免疫不全症候群(猫エイズ)


猫のコアワクチン3種ワクチンに入っている
猫汎白血球減少症、猫伝染性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症
の3つになります。
これら3種のウイルスは感染力が強く、
特に猫汎白血球減少症は死亡率も高いため
ワクチンによる予防が必要になります。

5種ワクチンには3種に加え
クラミジア病、猫白血病ウイルス感染症
が入っています。

また最近は7種ワクチンもあり
カリシウイルスが3種類入っています。

さらに、これら混合ワクチンとは別に
猫エイズのワクチンがあります。



まず、ワクチンプログラムは
生後、9週・12週を目安に2回接種し、
その後は生活環境に合わせて接種していきます


次に何種ワクチンを選ぶかですが

完全室内飼育で1頭飼育
または
多頭飼育でも他に猫エイズ・猫白血病ウイルスのキャリア猫がいない場合
3種ワクチンで十分だと思います。

5種以上のワクチンを考慮する状況としては
外に出る場合
または
室内飼育でも他に猫エイズ・猫白血病ウイルスのキャリア猫がいる場合
です。

ただし、猫白血病ウイルス感染症と猫エイズのワクチンは
接種することによって感染率は下がりますが100%ではありません。
病気の予防としては感染猫に接触させないことが1番です。



ワクチンは病気を予防するのに有益ですが
デメリットもあります。

特に猫では重大なデメリットとして
繊維肉腫の発生があります。

繊維肉腫は悪性の腫瘍で注射を打った場所に発生します。
特にアジュバント(免疫応答を増強する物質)の
入った不活化ワクチンで発生しやすいと言われています。
(不活化ワクチンでの腫瘍発生率は1/000~1/10000と言われています。)
なのでワクチンを接種する場合は
生ワクチンの方が危険性は少なくなります。
また不活化ワクチンにもアジュバントの入っていないものも出てきています。



ワクチンプログラムは
そのメリット・デメリットに加え
猫の生活環境等を考慮して決めていく必要があるため
ワクチン接種についてお悩みの方は
かかりつけの病院にご相談してもらうのがいいかと思います。


投稿者 やまなか動物病院