院長談

2014年11月28日 金曜日

肛門嚢



こんにちは。

院長の山中です。



昨日、臭腺の一つである肛門嚢について触れましたが

これは犬にも猫にもあり

肛門腺から分泌される臭いの強い分泌物をためいています。



この分泌物は通常、便と共に排出されますが

ときどき排出が上手くいかず分泌物が

肛門嚢に溜まってしまうことがあります。

これは炎症や感染により

分泌物を排出する管が狭くなってしまったり

分泌物自体が泥状や固形になってしまい

排泄されにくくなることが原因になります。

また便が柔らかすぎたり少ないことも

分泌物の排出が減る一因となります。



いずれにしても分泌物が溜まっている状態が続くと

炎症や感染が起こりまたは悪化し肛門嚢炎を起こしてしまいます。

ひどくなると肛門の横の部分が腫れ

穴が開いて膿が出てくることもあります。



そのため肛門腺が溜まりやすい子は

定期的に肛門嚢を絞ってあげる必要があります。

また地面にお尻をこすりつける動作は

肛門付近に違和感がある証拠なので

肛門嚢に分泌物が溜まっていないか

あるいは肛門嚢炎をおこしていないかを

チェックしてあげましょう。



また犬では肛門嚢に肛門嚢腺癌という腫瘍ができることもあるので

肛門の横が固く腫れているときは

(肛門嚢炎の場合は腫れても弾力があるか軟らかい事が多いです。)

病院で診察を受けるようにしてください。





やまなか動物病院

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2014年11月27日 木曜日

猫の臭腺



こんにちは。

院長の山中です。



動物は体の各所に臭腺と言われる分泌腺があり

そこから分泌される化学物質、いわゆるフェロモンを使って

マーキングやコミュニケーションを行っています。



猫の場合はおでこや唇の両側・あごの下にあり

頭や顔をこすりつけてマーキングします。

この顔の臭腺からはフェイシャルフェロモンが分泌されており

自分のテリトリーや所有物を示したりするのに使われています。



また、爪や肉球にも臭腺があり

爪とぎをすることによってマーキングします。

その他に尾の付け根や乳腺にもあるそうです。



肛門の横にある肛門のうも臭腺の一つであり

排便時に便とともに排出されます。

また尿中に含まれるフェリニンという物質も

フェロモンと考えられています。



このように猫たちは体の各所から化学物質を分泌することによって

コミュニケーションを取っています。

残念ながらフェロモンは通常の臭いとは異なり

人には感知することができません。

猫たちは鋤鼻器といわれる器官を使って

フェロモンを感知しています。

時々、猫が臭いをかいだ後に口を半開きにして

変な顔をしているときは鋤鼻器でフェロモンを感知しているときです。

(これはフレーメンという行動です。)



たまに家の猫が僕の臭いをかいだ後にフレーメンをすることがありますが、

まさか猫フェロモンが出てるのか!...とうれしくなります。

( ↑ ただ他の猫の臭いが付いているだけです。)



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2014年11月26日 水曜日

運動会


こんにちは。

院長の山中です。



最近、新参猫のふじ子と先住猫が仲良くなってきたのか

夜中に追いかけあって遊んでいます。


寝ている上にダイブしてきたりするので

とても安眠を妨げられます。




また夜に運動してお腹がすくせいか

夜が明ける前から餌を要求して起こしてきます。







猫を多頭飼育している方なら

夜の運動会はお馴染みと思いますが

これは狩りの名残と言われています。





猫科の動物は主に成功率の高い

明け方や夕暮れに狩りをし

昼間は寝て休憩しています。





その影響で家猫となったあとも

夕暮れ時や朝方になると活発に行動するそうです。






また、この運動会ですが

雨の日は雨天中止になるそうです。




これも狩りの名残で外猫が雨の日は

あまり狩りをしないことに由来しているようです。






雨の日は獲物が少ないことに加え

猫が濡れることを嫌うためと思われます。







本能的なものなのでやめさせる訳にもいきませんが

年をとるとあまりやらなくなるので

しばらく我慢するしかなさそうです...。






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2014年11月22日 土曜日

湿度について☆



こんにちは。院長の山中です。



最近、息苦しくて目が覚めると

猫が2~3匹胸の上に乗っています。




寒くなるとよくある光景ですが

季節の変わり目は動物たちも

体調を崩しやすくなるので気をつけてあげましょう。





秋から冬になり空気が乾燥してくると

気管虚脱など気管・気管支に問題のある子は

咳などの症状が悪化しやすくなります。

また小さい子や高齢の子は気管支炎や肺炎を

起こしやすくなります。






そのため部屋の湿度が下がりすぎないように

加湿器などで湿度を調整してあげましょう。

目安としては60%前後がいいかと思います。





湿度が低いと気道の粘膜が乾燥するため

細菌・ウイルス・痰・異物などの排出が悪くなり

感染や炎症を引き起こしてしまいます。






ちなみに人のインフルエンザウイルスは

湿度50%以上になると生存率が激減する

ので人のためにも加湿は有益です。


(人のインフルエンザウイルスは犬猫にはうつりませんが フェレットにはうつることがあるそうです。)




また湿度が50%を下回ると肌が乾燥してくるため

犬アトピー性皮膚炎など皮膚の弱い子にもよくありません。

(人の肌に良い湿度は60~65%だそうです。)





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2014年11月14日 金曜日

フィラリア予防

こんにちは。

院長の山中です。



だいぶ気温も下がり蚊も見なくなってきましたね。

横須賀市ではフィラリアに感染する期間は

5月初旬から11月中旬までと言われています。

この期間は蚊の体内でミクロフィラアリアが成長し

動物に感染する危険があります。





飲み薬でのフィラリア予防は

体の中に入ってしまったミクロフィラリアを

毎月1回薬を飲むことで駆除しています。

そのため蚊が出なくなってからも

1カ月後を目安に薬を飲む事が推奨されています。

これは11月の中旬までに感染した

ミクロフィラリアを駆除するためです。



この最後の投薬はとても重要です。

なぜなら、ここで薬を飲ませ忘れてしまうと

万が一ミクロフィラリアが体の中に入っていた場合

投薬していない冬の間にフィラリア成虫に成長してしまうからです。





フィラリアは成虫になってしまうと予防薬では死にません。

駆除することはできますが、やっかいなことに

肺動脈という肺に血液を送っている血管に寄生するため

死ぬと肺動脈に詰まり肺動脈塞栓症を起こしてしまいます。

これは小型犬では致命的です。

そのため成虫になる前に駆除することが重要になってきます。



というわけで

最後の投薬を忘れないようにしましょう。

(やまなか動物病院では最後の予防薬は12月に入ってから飲んでもらうようにしています。)

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