院長談

2014年11月 8日 土曜日

猫かぜ その他

こんにちは

院長の山中です。



猫かぜを起こすのは主に

猫ヘルペスウイルス1型と猫カリシウイルスですが

その他にも

クラミドフィラ・フェリス(クラミジア)やボルデテラ・ブロンキセプティカ

といった細菌の感染がみられることもあります。



クラミドフィラ・フェリスが感染すると

主に結膜炎を起こし結膜がひどく腫れて膨れ上がってしまいます。

まれに肺炎を起こすこともありますが

主症状は目にでるため単独感染では重症になることは少ないです。

また、感染力はヘルペスやカリシウイルス程強くはないため

感染猫と接触しなければうつりません。



ボルデテラ・ブロンキセプティカ

鼻汁・眼やにに加え肺炎を起こします。

特に子猫や免疫力の低下した猫では

肺炎を起こし重症になることがあります。

咳やくしゃみにより細菌が拡散するため

周囲の猫にもうつってしまいます。

また、この細菌は犬のケンネルコフ(犬の上部気道感染症)の

原因菌でもあり犬にも感染してしまいます。

まれに、人にも感染するため免疫力の低下した人は注意が必要です。

投稿者 やまなか動物病院 | 記事URL

2014年11月 7日 金曜日

猫かぜ 猫カリシウイルス

こんにちは。

院長の山中です。



前回は猫ヘルペスウイルス1型について書いたので

今回は猫カリシウイルスについて書きたいと思います。



このウイルスに感染すると

鼻炎や結膜炎によるくしゃみ・眼やに等

ヘルペスウイルスと似た症状が出ますが

その他に特徴的な症状として

口内炎舌潰瘍関節炎を起こします。

特に口内炎や舌の潰瘍は痛みが強いため

鼻炎と合わせてフードを食べない原因となり

衰弱してしまうことがあります。

また、肺炎を起こした場合も重症になることがあるので

注意が必要です。



このウイルスもヘルペスウイルスと同様に

鼻汁や眼やになどの分泌物中に排泄されます。

やっかいなことに感染猫は

回復した後も1ヶ月以上ウイルスを排泄し続けるうえ

ウイルス自体も強く環境中でも一カ月以上生き残るため

周囲の猫に感染を広めてしまいます。



さらに、このウイルスは変異が激しいため

一度感染から回復して免疫ができても

異なる型のウイルスに感染した場合は再度、発症してしまいます。

そのためワクチンを打っていても発症してしまうこともあります。



また、近年では病原性が強く全身症状を引き起こす

強毒全身性猫カリシウイルスが報告されています。

このウイルスは発熱・皮下浮腫・頭部や下肢の潰瘍・黄疸などの

全身症状を起こし、その死亡率は67%にも上ると言われています。

また、特徴として成猫の方がより重篤な状態になるようです。



通常のカリシウイルス感染症ではしっかり治療すれば

重症になることは少ないのでくしゃみや眼やにがみられたら

早めに対処してあげてください。

 

投稿者 やまなか動物病院 | 記事URL

2014年11月 6日 木曜日

猫かぜ

院長の山中です。



最近、寒くなってきたせいか

くしゃみや眼やにの症状で来院される

猫ちゃんが多くなった気がします。



この俗に猫かぜと言われる上部気道の感染症は

ウイルス・細菌・クラミジアなどが原因になりますが

特に

猫ヘルペスウイルス1型(FHV-1)猫カリシウイルス(FCV)

によるものが多くみられます。



猫ヘルペスウイルス1型に感染すると結膜炎鼻炎をおこし

結膜が赤く腫れ涙や眼やにが出たりくしゃみや鼻汁がみられます。

さらに結膜だけでなく角膜炎を起こすことがあり

角膜が白く濁ったり、穴が開いてしまうこともあります。

この場合、視力に影響がでたり

最悪、失明することもあるため注意が必要です。

また、子猫や免疫力の低い猫では

重症になり肺炎を起こしてしまうこともあります。



このウイルスは鼻汁や眼やになどの

分泌物中に含まれているため

くしゃみによって広範囲にばらまかれ

同居猫にも感染が広がってしまいます。



また、このウイルスの特徴として

症状が治まったあとも神経節等に潜んでおり

ストレスを受けたり体調を崩した際に

再発してしまうことがあります。



体力のある成猫では亡くなることは少ないですが

子猫や体力の低下した猫では重症になることもあるので

しっかり治療してあげましょう。

また上記のように潜伏感染してしまうので再発防止のため

ストレスのない生活や健康管理をしてあげることも重要です。

投稿者 やまなか動物病院 | 記事URL