院長談

2014年7月24日 木曜日

熱中症について③



こんにちは。院長の山中です。

引き続き熱中症についてです。

熱中症を疑う状況としては

暑い時間に散歩をした、閉めきった部屋にいたなどの状況に加え
次のような症状がみられたときは熱中症を疑います。
・パンティング(ハアハアすること)がおさまらない
・元気・食欲がない

重症になると
横になって動かない・ふらつく・立てない・歩けない
長時間排尿しない、赤茶色の尿が出る
下血をしている

ご自宅でできる対処としては
体に水をかけ扇風機をあてる
(気化熱を利用して体温を下げます。経験的には水に浸けるより効果的です。)
冷房を入れる
(呼吸する空気も冷たくした方が早く体温が下がります。)
首・脇・股を氷嚢などで冷やす
(人と同じで太い血管があるため体温を下げるのに有効です。)
水分をとらせる
(電解質溶液:ポカリスウェット・OS-1など。なければ水でも大丈夫です。)
毛を刈る
(毛の長い大型犬ではお腹の毛を刈ると効果的です。)

注意点としては過度に冷やしすぎると
逆に低体温症になってしまいます。
特に小型犬は体温が下がりやすいためパンティングが
治まったら冷却処置を中止しましょう。

また、できれば病院に行き状態をチェックしてもらいましょう。
家で様子を見るときは
元気食欲が戻れば経過観察でかまいませんが
尿が出ないまたは赤茶色の尿が出る
イチゴジャムのような下血をしている

ときは内臓がダメージを受けており
命に関わるため必ず病院を受診し
症状を伝えて下さい。



ミオグロビン尿
左のような赤茶色の尿は筋肉が壊れると出てきます。


投稿者 やまなか動物病院