☆やまなか動物病院のブログです☆

2014年10月16日 木曜日

猫の薬物代謝

こんにちは。

院長の山中です。



猫は薬物で中毒を起こしやすい動物ですが

それは猫の薬物を代謝する能力と関係があります。

その一つにグルクロン酸抱合という代謝経路があります。



薬物の代謝・排泄には

第Ⅰ相反応と第Ⅱ相反応の2段階があり

この第Ⅱ相反応の中にグルクロン酸抱合があります。



グルクロン酸抱合は

薬物を体外へ排出しやすい形にする反応ですが

猫ではこの反応の一部が欠損しています。

細かく言うと

UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT) UGT1A6

が欠損しています。

そのためこの酵素で代謝される薬物を摂取すると

中毒を起こしてしまいます。



また、薬物以外の生体異物の解毒に重要な働きをしている

グルタチオン抱合の能力も低いといわれています。



このように猫は人や犬よりも中毒を起こしやすいため

むやみに薬を与えたり、誤食されないように気をつけてあげましょう。

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2014年10月15日 水曜日

猫の味覚

こんにちは。

院長の山中です。



今日は猫の味覚について書きたいと思います。

猫と犬が味をどれくらい感じるかというと

        猫     犬

苦味     3      1

旨味     2      1

塩味     1      3

酸味     1      1

甘味     0      1


という比率で味を感じているそうです。

そういわれると犬がしょっぱい物や甘いものを食べるのに比べ

猫はそういったものはあまり食べないことも頷けます。

(苦い薬を飲ませると泡を吹くのにも頷けます。)



また、猫がどうのような基準で食べ物を選んでいるかというと

① 鼻の感覚・・・匂い

② 口の感覚・・・食感、味、形、大きさ

③ 摂取後の感覚・・・栄養バランス

のようです。




猫の嗅覚細胞の数は約6500万個あり

人の約500~1000万個に比べかなり多くあります。

(犬は約2億~30億もあるそうで桁違いですね。)

匂いは猫の食欲に強く影響するため

鼻の詰まった猫はフードを食べなくなってしまうこともあります。



一方、味を感じる舌の表面にある味蕾の数は

猫が約500個、犬が約1700個、人が約4000~9000個だそうです。



3つめの栄養バランスについてですが

猫は蛋白質の要求量が多いため甘い食べ物やしょっぱい食べ物より

旨味の多い高蛋白な食べ物を好むようです。

猫は味にうるさいように思いますが

こうしてみるとむしろ匂いと旨味(豊富な蛋白質)にうるさいようです。



ちなみに猫が好む食器の材質は

陶器製、ガラス、プラスチック、ステンレス

の順だそうです。

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2014年10月13日 月曜日

犬の痒くなる病気について



こんにちは☆
横須賀のゴミ出しにはまだ慣れない秀美です(^_^)/



福岡では夜中寝る前にゴミを出して
夜中にゴミ収集車が集めにきます。





ゴミ収集車を見ることはほとんどなく、



ゴミを守る緑色のネットなども見たことがありませんでした。。。




なので、
朝早くみんながゴミを出している風景や
柵と緑色のネットは驚きなんです(@_@)!!!



でも、、、

福岡はゴミ袋が指定で450円( ;∀;)高い~!!

だからか...スーパーもコンビニも

ゴミ箱パンパンですっ(-.-I




そんな話はさておいて☆スミマセン





今日は"かゆくなる病気"をまとめたものを載せたいと思います☆☆☆
  疾患 原因 特徴  
寄生虫 ノミアレルギー ノミに対するアレルギー ・夏~秋に多い ・かゆみが強い ・薬で予防が可能 薬で治療可能
疥癬・耳疥癬  ヒゼンダニ、 ミミヒゼンダニが 全身の皮膚や耳に寄生 ・季節に関係ない  ・かゆみが非常に多い ・薬で予防が可能
犬毛包中症 毛穴に ニキビダニが寄生 健康な時は問題ないが、 免疫が低下すると 発祥する
細菌感染 膿皮症 皮膚で細菌が増殖 かゆがって舐めたり 掻いたりすると、 脱毛することもある
真菌感染 皮膚糸状菌症 皮膚糸状菌という カビの一種が感染 脱毛が認められるが かゆみをほとんど 示さないこともある
マラセチア性皮膚炎 マラセチアという 酵母菌の一種が 過剰に増殖 常在菌だが、脂漏症 などが存在すると 過剰に増殖する
アレルギー 食物アレルギー 特定の食事(主にたんぱく質)に対するアレルギー ・季節に関係ない ・皮膚炎、皮膚のかゆみの他 下痢、嘔吐などが認められることが多い 症状を コントロール できる
犬アトピー性皮膚炎 環境中に存在する ・季節性がある ・皮膚炎および皮膚のかゆみのみが 認められる 症状を コントロール できるが、 完治は難しい
その他の疾患    脂漏症:皮膚がベタベタしたり、フケが増え皮膚の状態が悪くなる病気



   
     参考にしてください。
  
   
 
   


神奈川県横須賀市佐原のやまなか動物病院は
夜間救急も対応しています。

http://www.yamanaka-vet.com/

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2014年10月10日 金曜日

猫のフードについて つづき

こんにちは。

院長の山中です。



前回、腎臓病用の療法食について触れましたが、

ある研究では

慢性腎臓病の猫の生存期間中央値を調べており

普通の食事を食べていた猫・・・7カ月

療法食を食べていた猫・・・16ヶ月

と2倍以上長生きすることが示されていました。



こういったデータの裏付けもあり

慢性腎臓病の治療では強く勧められる治療法です。

もちろん食欲不振や脱水症状の出ているときは点滴治療が必要ですが

普段の維持としては食事療法が最も優れていると思います。



ただ、食事療法の問題点は猫が食べてくれないことがあるということです。

猫は急にフードを変えると食べてくれないことが多いので

まずは、いつものフードに少しずつ混ぜていき

徐々に療法食の量を増やして行くようにしてください。

それでも食べてくれない時は他のメーカーの療法食を試してみたり

ウェットとドライを両方試してみてください。

どうしても療法食を食べてくれないときは

食べてくれるフードの中でリン・ナトリウム・蛋白質の量をみて

療法食に近いものを選んであげましょう。

 

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2014年10月 9日 木曜日

猫のフードについて

こんにちは。

院長の山中です。



我が家の猫も7歳になりシニア期に入ってきたため

フードをシニア用に変えてみました。



シニア用のフードと若い猫用のフードと何が違うかというと

主にリンナトリウムの量が少なくなっています。

さらに高齢猫用のフードになると蛋白質の量も制限してるものもあります。

これらは腎臓の健康維持に配慮して、あえて少なくしてあります。



なぜかというと

高齢の猫では腎機能が低下してくることが多く、

慢性腎臓病になっている猫もいます。

腎機能が低下してくると体の中にリンが蓄積してきますが

この高リン血症は腎臓病の悪化要因の1つとされています。

そのためシニア・高齢猫用のフードではリンの量が少なくしてあるのです。



また、慢性腎臓病ではナトリウムと蛋白質の制限も推奨されているため

高齢猫用のフードではこれらも制限されているものもあります。

リン・ナトリウム・蛋白質を最も制限してあるフードはというと

腎臓サポートk/d など腎臓病用の療法食になります。



ちなみに我が家では

ロイヤルカナンのエイジングケアステージⅠライト

をメインに与えています。

このフードは食物繊維も多くなっているためお通じも良くなりお勧めです。

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